百々書き置き場

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ダートグレード競走と国際格付けの取得

先日、地方競馬全国協会(NAR)や日本中央競馬界(JRA)などから発表された「全日本的なダート競走の体系整備」は6月の「3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備」に続き、日本競馬界のダート競走にとって大きな改革になりますね。

www.keiba.go.jp

その中の1つ「国際化に向けた取組」では2028年から段階的に「Jpn」表記の使用を取り止め、全てのダートグレード競走を国際競走とすることを目指す内容が発表されました。簡単に言えばJpn格付け→G格付けへ移行する訳ですが、今回はどのような手順やハードルがあるのか簡単に説明していきます。

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ダートグレード競走Jpn格付けのルールブックを読んでみた

※この記事は2022年時点の内容です。2023年版変更点は下記記事をご覧ください。

gachach.hatenablog.com

 

 


以前、競馬の格付けルールについて何回か紹介・説明をしてきました。今回は地方競馬を中心に施行されているダートグレード競走のJpn格付けルールブックにあたる「ダート競走Jpn格付要綱」を読んでいきましょう。

以前解説したルールブックは下記からご覧ください。

 

gachach.hatenablog.com

 

gachach.hatenablog.com

 

※紹介するルールは2022年5月時点の内容になります。

 

  • 要綱を読む前に
    • ダート競走Jpn格付要綱とは
    • 用語・略語
  • ダート競走Jpn格付要綱
    • 改正履歴
    • 1.目的
    • 2.格付機関
    • 3.格付対象競走
    • 4.グレードの定義
      • (1)格付け
      • (2)競走数
    • 5.格付基準
      • (1)本賞金額
      • (2)競走内容(レースレーティング)
    • 6.格付けの審査等
      • (1)昇格
      • (2)降格
      • (3)その他
    • 7.格付けの申請
    • 8.要綱の変更
    • 附則
  • ダート競走Jpn格付要綱改正に係る経過措置
    • 【降格】
    • 【参考】
    • 平成22年10月7日(2010年10月7日)施行の降格基準
      • 降格基準
      • レーティング基準
      • 2022年版と異なる点
    • 平成23年10月6日(2011年10月6日)施行の降格基準
      • レーティング基準
      • 降格基準
      • 2022年版と異なる点
    • 平成31年1月18日施行(2019年1月18日)の降格基準
      • レーティング基準
      • 降格基準
      • 2022年版と異なる点
    • 降格経過措置のまとめ
  • おわりに
  • 参考資料
  • 更新履歴

要綱を読む前に

ダート競走Jpn格付要綱を読む前に事前知識としていくつか紹介していきましょう。

 

ダート競走Jpn格付要綱とは

地方競馬ダートグレード競走を中心に使用されるJpn格付けに関するルールブックです。

ダート競走Jpn格付要綱の一部
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2022BCクラシックとフライトラインのレーティングの仕組み

先日ロンジンワールドベストレースホースランキング(LWBRR)が発表され、フライトラインがレーティング139をキープしています。
ランキングの詳細はJRA公式サイトなどをご覧ください。

www.jra.go.jp

 

BCクラシックも2着オリンピアードに8.1/4馬身差と圧勝でフランケルのレーティング140に並ぶか期待されましたが惜しくも届きませんでした。しかし、140に届かないことを疑問視する声ももちろんあります。

そこでBCクラシックのレーティングがつけられる計算はどのような仕組みで行われるか解説してみましょう。

  • プレレーティング
  • 着差とレーティングの差
  • 推定レーティング
  • 勝ち馬ボーナス
  • まとめ
  • おまけ BCクラシック過去の勝ち馬ボーナス推定値
  • 参考資料
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欧州パターン委員会の格付けルールを読んでみた

※この記事は2022年時点の内容です。最新版を知りたい方はBHA公式サイト等でご確認下さい。

 

 


以前アジアパターン委員会(APC)の格付けルールにあたるAsian Pattern Committee Ground Rulesを読んでみました。

gachach.hatenablog.com

今回は欧州版に該当するEUROPEAN PATTERN COMMITTEEや付随するGROUND RULES OF THE COMMITTEEを読んでみます。前回もそうですが、翻訳や読み取りに不安があるため、怪しいと思われる部分はコメント欄等でご指摘いただけると助かります。

今回は欧州パターン委員会で翻訳してみました。ただ、ヨーロッパパターン委員会やヨーロッパパターン競走委員会などいくつか翻訳方法があるため早速迷ってしまいますが…

 

  • 最新版の確認
  • 欧州パターン委員会とは
    • 1. 目的
    • 2. 会員および管理者
    • 3. 業務内容
    • 4. メンバーシップ
    • 5. クォーラム
    • 6. 出席と投票
    • 7. 会合頻度
    • 8. 会議議事録および報告書
    • 9. その他
  • 委員会のグランドルール
    • 1. 欧州パターン・リステッド競走に関する一般規則
    • 2. 変更の定義
    • 3. 欧州パターン・リステッド競走の変更に関する規則
      • 3.1 既存のパターン競走とリステッド競走の昇格、新しいパターン競走とリステッド競走の作成
      • 3.2 パターン・リステッド競走の降格や削除
      • 3.3 パターン競走およびリステッド競走の変更と定義されるその他の修正
    • 4. 年齢別斤量とセックスアローワンス
    • 5. 変更の通知と実施
  • おわりに
  • 参考資料
  • 更新履歴

 

最新版の確認

EUROPEAN PATTERN COMMITTEE(略称はEPC)の内容は、毎年、英国競馬公社(The British Horseracing Authority:BHA)で公開されています。

www.britishhorseracing.com

上記URL先の「Pattern and Listed race books」から「British Flat Pattern and Listed Races 2022」をクリックするとPDFの後半に掲載されていることが分かります。PDF自体は200ページ超えと大容量ですが、EUROPEAN PATTERN COMMITTEEに関する内容は10ページ程と全体に占める割合は多くありません。また、格付けルール以外にも英国競馬の重賞競走一覧や年間レースレーティングなども掲載されているため読み応えはあります。

https://media.britishhorseracing.com/bha/publications/Pattern_Listed_Books/British_Flat_Pattern_Listed_2022.pdf

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フライトラインとバーイードがレーティング140を出す方法

先日ロンジンワールドベストレースホースランキング(LWBRR)が発表され、フライトラインが139、バーイードが135を獲得しました。暫定値ですが、2頭ともランキングが開始された1977年以降*1以来トップ10に入る快挙です。また、フライトラインは1995年にアメリカ調教馬が掲載対象となって以来、ダート部門歴代1位となりました。

ランキングの詳細はJRA公式サイトなどをご覧ください。

www.jra.go.jp

さて、歴史に名を刻む2頭ですが歴代トップの座はフランケルがレーティング140でキープしています。この2頭がレーティング140まで到達するためにはどのような条件が必要か考えてみましょう。

*1:前身のインターナショナルクラシフィケーション等も含む

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