百々書き置き場

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JRA顕彰馬選定記者投票と配布資料

顕彰馬選定投票のために投票する記者向け参考資料が存在することは以前の記事で紹介しました。

gachach.hatenablog.com

以前の記事ではルールと仕組みの紹介のため詳しい部分は省略しましたが、実際はどのような資料が配布されるのか見ていきましょう。

※以下の画像は2021年に配布された資料になります。また、一部の画像はマスキング処理済です。

 

 

顕彰馬電子投票の手順

2018年以降、顕彰馬選定記者投票はインターネットを使用した電子投票で行われています。2017年以前は投票用紙に記入しFAXで送信していました。

顕彰馬電子投票の手順の表紙

URLの入力

URLを入力し指定ページへ遷移する説明が書いてあります。また、QRコードを読み取り、スマートフォンからも投票することが可能です。

IDとパスワードの入力画面

顕彰馬投票の選択

IDとパスワードを入力し、顕彰馬投票ボタンを押して次の画面へ進むようです。

顕彰馬の投票画面

顕彰馬の投票画面です。要点は次のとおりになります。

  • 馬名は入力式(選択方式ではなく自由記述)
  • 該当馬なしはチェックボックスによる選択
  • 画面下部に新規対象馬、前年投票があった対象馬が一覧表示される

投票馬の確認画面

投票の送信確認画面

投票送信前の確認画面になります。自分がどの馬へ投票したのか閲覧する機能は無いため、印刷またはスクリーンショットで保存する説明が書かれています。

投票終了画面

以上が顕彰馬電子投票の手順になります。

 

顕彰馬選定参考資料

もう1つの資料、顕彰馬選定参考資料も見ていきましょう。

 

顕彰馬選定参考資料の表紙

顕彰馬・選定基準の説明

顕彰馬と選定基準の説明ページです。投票可能な頭数と選定基準、対象馬の期間などが記載されています。

顕彰馬選定基準の変遷

過去の選定基準や方法の説明です。1999年までは選考委員会による選定、2001年からは記者投票方式に切り替わりましたが、2003年までは現在とは少し異なる条件で行っていました。2004年以降は票数こそ違うものの、今とほぼ同じ方式です。間にある2000年について記載がありませんが、機会があれば記事を書いてみたいと思います。

過去3年間に得票のあった馬

参考資料その1、近年投票があった馬の一覧です。過去3年のいずれかで投票があり、当年の投票対象馬が掲載されます。

種牡馬ランキング

種牡馬ランキング資料です。並び順はJRA勝利数の降順です。産駒のG1勝利数、G1勝利頭数、代表産駒などが明記されます。
以前の投票ではこの資料自体がありませんでしたが、2020年の投票から資料追加されました。近年、キングカメハメハステイゴールドクロフネの得票数が増えたのはこの資料が追加された影響もあるかもしれません。

顕彰馬名簿(1ページ目)

顕彰馬名簿(2ページ目)

今まで顕彰馬に選定された馬一覧のページです。

新規投票対象G1馬一覧

当年から新規投票対象となるG1馬一覧です。地方Jpn1やJ・G1もカウントされます。また、地方在籍時に獲得したG1/Jpn1馬も掲載されます。

 

投票対象外のG1馬一覧(過去1年以内抹消馬)

投票対象外のG1馬一覧(現役馬1ページ目)

投票対象外のG1馬一覧(現役馬2ページ目)

投票対象外のG1馬が掲載されます。

以上で投票時に参考にする資料の説明を終わります。

 

おまけ

先日、顕彰馬選定に関する気になる記事を見かけました。

参考資料の説明や電子投票の存在、以前は投票用紙をFAXで記入・送信していた点などあまり公にされていなかった内容が公開された点は有意義だと思います。

ただし、アーモンドアイ号が落選した考察記事としては本当に正しいのでしょうか?例えば以下の内容を見て検証してみましょう。

投票者には「A4用紙14枚、計20ページ」の資料が配布される。
アーモンドアイの名が登場するのは17ページ目。
シングンマイケル(中山大障害)からヤマニンアンプリメ(JBCレディスクラシック)まで20頭が抹消月日順に記された「本年度新たに選定対象となったGⅠ馬(2020年4月1日から2021年3月31日の間にJRAの競走馬登録を抹消した馬)」のリストの8頭目に他19頭と並列扱いで記されている。そこにたどり着く前に、13ページ目の「過去3年間に得票のあった馬(21頭)」から4頭をピックアップしたという実例を複数聞いている。

出典:【JRA顕彰馬】アーモンドアイ〝落選〟の真実 求められる〝一票の重み〟 現場記者による「告白」と「提言」 | 競馬ニュース・特集なら東スポ競馬

要約すると、「参考資料が多すぎてアーモンドアイが対象馬なのがわかりませんでした」と考察されたようです。しかし、顕彰馬電子投票の手順を読んだ方ならもうお判りでしょう。投票画面に新規投票対象馬昨年投票された対象馬表示されているのです。もう一度投票画面を確認してみましょう。

顕彰馬投票画面

投票画面の下部に一覧形式で投票対象馬が表示されると説明があるのがお分かりですね。投票するために画面もまともに見ず入力または該当馬なしへ選択するのか疑問になります。
また、電子投票が始まったのは2018年からですがここ5年の投票についてはどうだったのでしょうか?今年の馬だけ都合よく分からないなんてことは考えにくいため、この説はいたとしても1人か2人ぐらいで大勢に影響はありません。

あと以前の投票用紙によるFAX投票の方が良かったという点についてですが、投票する記者からすると投票用紙だけを見ればよかったのです。実際に過去の投票用紙を見ると分かるでしょう。

2017年顕彰馬選定投票用紙

投票用紙に主な対象馬と近年の書いてあるので極端な話、資料を何も見ずにここだけ見て投票した記者ももしかしたらいたのかもしれません。

正直、記者投票の資料の公開としては役に立ちましたがその他は…、と言うのがこの記事の感想です。ただ私が今回の内容を投稿するきっかけになった意味では必要な記事だったと思います。

 

参考資料

  • 顕彰馬電子投票の手順
  • 顕彰馬選定参考資料
  • 平成29年度顕彰馬選定投票用紙