百々書き置き場

SNSに書き切れなかったり記録として残しておきたい内容を置いておくところ

2022年JRA賞競走馬部門の展望と予想

2023年も中央競馬では金杯が無事開催が終わり、そろそろ発表があるJRA賞競走馬部門でどの馬が受賞するのか気になる時期ですね。

そこで今年度はどのような状況なのか過去の記者投票の傾向から踏まえた展望と予想をしてみましょう。

JRA賞競走馬部門の発表時期

東スポの記事によると、2022年度JRA賞競走馬部門の発表日は2023/01/10(火)の予定です。

tospo-keiba.jp

 

過去10年の発表日は次のとおりとなります。

年度 競走馬部門発表日 金杯開催日
2021 2022/01/11(火) 2022/01/05(水)
2020 2021/01/06(水) 2021/01/05(火)
2019 2020/01/07(火) 2020/01/05(日)
2018 2019/01/08(火) 2019/01/05(土)
2017 2018/01/09(火) 2018/01/05(金)
2016 2017/01/10(火) 2017/01/05(木)
2015 2016/01/06(水) 2016/01/05(火)
2014 2015/01/06(火) 2015/01/04(日)
2013 2014/01/07(火) 2014/01/05(日)
2012 2013/01/08(火) 2013/01/05(土)

来年以降の知識として、発表されるタイミングの法則としては次の2点になります。

  • 基本的には金杯開催日の次の火曜日
  • ただし、金杯開催日が火曜日の場合は翌日水曜日

 

競走馬部門の投票傾向

JRA賞競走馬部門では過去の投票傾向から次の内容が見受けられます。

  • 年間のG1勝ち数が多い
  • 秋に実績を残した馬が選ばれやすい
  • G1勝ち数が同等の場合、直接対決の結果が反映されやすい
  • 牝馬限定の場合、対牡馬の重賞実績が考慮される
  • 地方競馬の実績は割引されやすい
  • 海外競馬の実績は地域やレースの格に左右される
  • 最優秀○歳(以上)牡馬や牝馬は芝中長距離馬が選ばれやすい
  • 2部門以上にまたがる実績を残す場合でも複数受賞するケースは稀

競走馬部門はほぼG1実績で決まると言ってもいいでしょう。G1未勝利で受賞したケースだと2002年最優秀4歳以上牝馬ダイヤモンドビコーまで遡ります。

実績面では秋の実績が強く反映される傾向にあります。具体的には最優秀ダートホースではチャンピオンズCの勝ち馬、最優秀障害馬では中山大障害の勝ち馬に対し多く票が集まりやすいです。

また、G1勝ち数が同等の場合だと直接対決の結果で反映されるケースもあります。2020年年度代表馬が顕著な例でしょう。アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトと年間G1を3勝した各馬ですが、ジャパンカップの結果がそのまま票にも反映されました。

牝馬限定戦では対牡馬との実績で選ばれるケースもあります。2021年最優秀3歳牝馬ではソダシ、ユーバーレーベン、アカイトリノムスメがそれぞれ牝馬三冠を1勝ずつしています。その中でソダシに多く票が集まったのは札幌記念G2で古馬との対戦に勝利したのが大きかったでしょう。

中央競馬以外の実績では地方競馬ダートグレード競走は票には反映され難い傾向にあります。また、海外競馬の実績は現在だとそこまで特別視はされません。凱旋門賞BCクラシックなどは別物だと思いますが、ドバイWCを除くドバイや香港の競走では中央競馬G1と同等ぐらいでしょう。

最優秀3歳牡馬、最優秀3歳牝馬、最優秀4歳以上牡馬、最優秀4歳以上牝馬は過去の投票傾向より芝中長距離で実績を残した馬が選ばれやすいです。2019年最優秀3歳牡馬ではG1を2勝したアドマイヤマーズではなく、G1を1勝したサートゥルナーリアが選ばれています。理由としては次の票分散と関わりがあります。

年度代表馬を除く2部門以上にまたがる実績を残す場合でも記者は票を分散させる傾向にあるため、同時受賞することは稀です。年度代表馬と現在廃止された最優秀内国産馬を除くダブル受賞は1998年タイキシャトル(現在の最優秀4歳以上牡馬・最優秀短距離馬)が最後です。推測になりますが、出来るだけ多くの馬に受賞させたい記者側の意図が一定数あるのでしょう。もちろん両方同じ馬を記載する記者もいるため、投票内訳である程度判断することが可能です。

 

各部門の展望

以下、各部門毎の展望になります。対象馬は原則該当部門のG1/Jpn1勝ち馬に対しての評価になります。馬名の横は該当年度の成績と主な勝ち鞍を表示します。

 

最優秀2歳牡馬

G1/Jpn1勝ち馬の2歳牡馬は次の3頭です。

 

ホープフルSがG1昇格した2017年以降の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2017 ダノンプレミアム 275 94.8% 3戦3勝 朝日杯FS サウジアラビアRC(G3)
2017 タイムフライヤー 13 4.5% 5戦3勝 ホープフルS 萩S
2017 ルヴァンスレーヴ 1 0.3% 3戦3勝 全日本2歳優駿  
2017 ワグネリアン 1 0.3% 3戦3勝 なし 東スポ杯2歳S(G3)
2018 アドマイヤマーズ 153 55.4% 4戦4勝 朝日杯FS デイリー杯2歳S(G2)、中京2歳S
2018 サートゥルナーリア 123 44.6% 3戦3勝 ホープフルS 萩S
2019 コントレイル 197 71.9% 3戦3勝 ホープフルS 東スポ杯2歳S(G3)
2019 サリオス 77 28.1% 3戦3勝 朝日杯FS サウジアラビアRC(G3)
2020 ダノンザキッド 262 92.6% 3戦3勝 ホープフルS 東スポ杯2歳S(G3)
2020 グレナディアガーズ 21 7.4% 4戦2勝 朝日杯FS  
2021 ドウデュース 251 84.8% 3戦3勝 朝日杯FS アイビーS(L)
2021 キラーアビリティ 44 14.9% 4戦2勝 ホープフルS  
2021 該当馬なし 1 0.3%      

 

無敗馬と1敗以上している馬の比較では無敗馬の方が優勢のため、ドルチェモアで確実でしょう。

 

最優秀2歳牝馬

G1/Jpn1勝ち馬の2歳牝馬は次の1頭です。

  • リバティアイランド(3戦2勝) 阪神JF(G1)

 

過去10年間の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2012 ローブティサージュ 288 99.7% 3戦2勝 阪神JF  
2012 該当馬なし 1 0.3%      
2013 レッドリヴェール 279 99.6% 3戦3勝 阪神JF 札幌2歳S(G3)
2013 ハープスター 1 0.4% 3戦2勝 なし 新潟2歳S(G3)
2014 ショウナンアデラ 285 100.0% 4戦3勝 阪神JF  
2015 メジャーエンブレム 291 100.0% 4戦3勝 阪神JF  
2016 ソウルスターリング 290 99.7% 3戦3勝 阪神JF アイビーS
2016 リエノテソーロ 1 0.3% 4戦4勝 全日本2歳優駿 エーデルワイス賞(Jpn3)
2017 ラッキーライラック 290 100.0% 3戦3勝 阪神JF アルテミスS(G3)
2018 ダノンファンタジー 275 99.6% 4戦3勝 阪神JF ファンタジーS(G3)
2018 該当馬なし 1 0.4%      
2019 レシステンシア 274 100.0% 3戦3勝 阪神JF ファンタジーS(G3)
2020 ソダシ 283 100.0% 4戦4勝 阪神JF 札幌2歳S(G3)、アルテミスS(G3)
2021 サークルオブライフ 294 99.3% 4戦3勝 阪神JF アルテミスS(G3)
2021 該当馬なし 2 0.7%      

 

その他の2歳牝馬重賞勝ち馬はブトンドール、キタウイング、ドゥーラ、ラヴェル、リバーラと5頭います。しかし、いずれも阪神JF掲示板に載れずリバティアイランドとの直接対決で負けているため、リバティアイランドで確実でしょう。

 

最優秀3歳牡馬

G1/Jpn1勝ち馬の3歳牡馬は次の7頭です。

 

2008年以降、G1を2勝以上した馬がいた年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2008 ディープスカイ 300 100.0% 10戦5勝 日本ダービーNHKマイルC 毎日杯(Jpn3)、神戸新聞杯(Jpn2)
2010 ヴィクトワールピサ 280 98.2% 7戦3勝 有馬記念皐月賞 弥生賞(G2)
2010 ローズキングダム 4 1.4% 7戦2勝 ジャパンC 神戸新聞杯(G2)
2010 エイシンフラッシュ 1 0.4% 6戦2勝 日本ダービー 京成杯(G3)
2011 オルフェーヴル 285 100.0% 8戦6勝 皐月賞日本ダービー菊花賞有馬記念 スプリングS(G2)、神戸新聞杯(G2)
2012 ゴールドシップ 289 100.0% 6戦5勝 皐月賞菊花賞有馬記念 神戸新聞杯(G2)、共同通信杯(G3)
2015 ドゥラメンテ 285 97.9% 4戦3勝 皐月賞日本ダービー  
2015 キタサンブラック 6 2.1% 8戦5勝 菊花賞 スプリングS(G2)、セントライト記念(G2)
2016 サトノダイヤモンド 286 98.3% 6戦4勝 有馬記念菊花賞 神戸新聞杯(G2)、きさらぎ賞(G3)
2016 マカヒキ 5 1.7% 6戦4勝 日本ダービー 弥生賞(G2)、ニエル賞(G2)
2017 レイデオロ 289 99.7% 4戦2勝 日本ダービー 神戸新聞杯(G2)
2017 キセキ 1 0.3% 8戦3勝 菊花賞  
2019 サートゥルナーリア 124 45.3% 5戦2勝 皐月賞 神戸新聞杯(G2)
2019 アドマイヤマーズ 107 39.1% 5戦2勝 香港マイルNHKマイルC  
2019 クリソベリル 24 8.8% 5戦5勝 チャンピオンズC、ジャパンダートダービー 兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)、日本テレビ盃(Jpn2)
2019 ロジャーバローズ 15 5.5% 4戦2勝 日本ダービー  
2019 ワールドプレミア 3 1.1% 5戦2勝 菊花賞  
2019 該当馬なし 1 0.4%      
2020 コントレイル 283 100.0% 5戦4勝 皐月賞日本ダービー菊花賞 神戸新聞杯(G2)
2021 エフフォーリア 296 100.0% 5戦4勝 皐月賞天皇賞(秋)有馬記念 共同通信杯(G3)

 

中長距離路線でG1を2勝以上した馬が基本的には受賞しているため、イクイノックスで確実でしょう。その他に投票される馬がいるかどうかが注目点です。

 

最優秀3歳牝馬

G1/Jpn1勝ち馬の3歳牝馬は次の3頭です。

 

2008年以降、牝馬二冠馬がいた年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2009 ブエナビスタ 286 99.7% 7戦3勝 桜花賞オークス チューリップ賞(Jpn3)
2009 レッドディザイア 1 0.3% 7戦3勝 秋華賞  
2010 アパパネ 284 99.6% 6戦3勝 桜花賞オークス秋華賞  
2010 スノーフェアリー 1 0.4% 1戦1勝 エリザベス女王杯  
2012 ジェンティルドンナ 289 100.0% 7戦6勝 桜花賞オークス秋華賞ジャパンC ローズS(G2)、シンザン記念(G3)
2013 メイショウマンボ 280 100.0% 8戦5勝 オークス秋華賞エリザベス女王杯 フィリーズレビュー(G2)
2015 ミッキークイーン 291 100.0% 6戦3勝 秋華賞エリザベス女王杯  
2018 アーモンドアイ 276 100.0% 5戦5勝 桜花賞オークス秋華賞ジャパンC シンザン記念(G3)
2020 デアリングタクト 283 100.0% 5戦4勝 桜花賞オークス秋華賞  

スノーフェアリーJRA賞選考対象の成績のみを掲載、海外の成績は反映しません。

 

いずれも満票か満票に近い投票結果のため、牝馬二冠のスターズオンアースの受賞は確実でしょう。

 

最優秀4歳以上牡馬

G1/Jpn1/J・G1勝ち馬の4歳以上牡馬は次の16頭です。

 

2008年以降、芝中長距離路線でG1を2勝以上した馬がいた年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2009 ドリームジャーニー 221 77.0% 8戦3勝 宝塚記念有馬記念 産経大阪杯(G2)
2009 カンパニー 65 22.6% 7戦4勝 天皇賞(秋)マイルCS 中山記念(G2)、毎日王冠(G2)
2009 エスポワールシチー 1 0.3% 6戦4勝 ジャパンCダートかしわ記念マイルCS南部杯 マーチS(G3)
2015 ラブリーデイ 174 59.8% 10戦6勝 宝塚記念天皇賞(秋) 京都記念(G2)、京都大賞典(G2)、中山金杯(G3)、鳴尾記念(G3)
2015 モーリス 114 39.2% 6戦6勝 安田記念マイルCS香港マイル ダービー卿CT(G3)
2015 エイシンヒカリ 1 0.3% 5戦4勝 香港C 毎日王冠(G2)、エプソムC(G3)
2015 ゴールドアクター 1 0.3% 4戦4勝 有馬記念 アルゼンチン共和国杯(G2)
2015 該当馬なし 1 0.3%      
2016 キタサンブラック 201 69.1% 6戦3勝 天皇賞(春)ジャパンC  
2016 モーリス 90 30.9% 5戦3勝 チャンピオンズマイル天皇賞(秋)、香港C  
2017 キタサンブラック 290 100.0% 6戦4勝 天皇賞(春)天皇賞(秋)有馬記念  

 

混戦の年もありますが、芝中長距離路線でG1を2勝以上した馬が優勢なのでタイトルホルダーが優位だと考えます。

 

最優秀4歳以上牝馬

G1/Jpn1勝ち馬の4歳以上牝馬は次の5頭です。

 

2008年以降、G1を2勝以上した馬がおらず、対牡馬相手にG1勝利した馬がいた年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2011 ブエナビスタ 277 97.2% 6戦1勝 ジャパンC  
2011 カレンチャン 4 1.4% 7戦5勝 スプリンターズS 阪神牝馬S(G2)、函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)
2011 アパパネ 1 0.4% 6戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2011 スノーフェアリー 1 0.4% 1戦1勝 エリザベス女王杯  
2011 該当馬なし 2 0.7%      
2012 カレンチャン 177 61.2% 5戦1勝 高松宮記念  
2012 レインボーダリア 75 26.0% 8戦2勝 エリザベス女王杯  
2012 ホエールキャプチャ 3 1.0% 6戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2012 ドナウブルー 3 1.0% 7戦2勝 なし 京都牝馬S(G3)、関屋記念(G3)
2012 ミラクルレジェンド 1 0.3% 7戦3勝 なし JBCレディスクラシック(重賞)、レディスプレリュード(重賞)、マリーンC(Jpn3)
2012 該当馬なし 30 10.4%      
2013 ジェンティルドンナ 274 97.9% 4戦1勝 ジャパンC  
2013 ヴィルシーナ 3 1.1% 6戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2013 該当馬なし 3 1.1%      
2016 マリアライト 233 80.1% 6戦1勝 宝塚記念  
2016 クイーンズリング 46 15.8% 6戦3勝 エリザベス女王杯 府中牝馬S(G2)、京都牝馬S(G3)
2016 ストレイトガール 5 1.7% 2戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2016 ミッキークイーン 2 0.7% 4戦0勝 なし  
2016 ルージュバック 1 0.3% 6戦2勝 なし 毎日王冠(G2)、エプソムC(G3)
2016 該当馬なし 4 1.4%      
2017 ヴィブロス 194 66.9% 4戦1勝 ドバイターフ  
2017 アドマイヤリード 49 16.9% 6戦3勝 ヴィクトリアマイル  
2017 クロコスミア 2 0.7% 7戦3勝 なし 府中牝馬S(G2)
2017 ミッキークイーン 2 0.7% 5戦1勝 なし 阪神牝馬S(G2)
2017 レッツゴードンキ 1 0.3% 6戦1勝 なし 京都牝馬S(G3)
2017 該当馬なし 42 14.5%      

スノーフェアリーJRA賞選考対象の成績のみを掲載、海外の成績は反映しません。

 

例年の傾向からすると、対牡馬G1を勝った馬が受賞するのでソングラインかウインマリリンのどちらかだと思います。ただし、最優秀短距離馬との票分散を行う記者がいたり、対牡馬G1で2着3着でも評価する記者もいたり予想するのはかなり難しいでしょう。

 

最優秀短距離馬

1600m以下のG1/Jpn1勝ち馬は次の13頭です。戦績は2022年の1600m以下に限られます。

 

2008年以降、芝G1を2勝以上した馬がいない年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2008 スリープレスナイト 233 77.7% 6戦5勝 スプリンターズS CBC賞(G3)、北九州記念(Jpn3)
2008 ウオッカ 53 17.7% 2戦1勝 安田記念  
2008 ファイングレイン 6 2.0% 7戦3勝 高松宮記念 シルクロードS(G3)
2008 ブルーメンブラット 4 1.3% 4戦1勝 マイルCS  
2008 エイジアンウインズ 2 0.7% 4戦3勝 ヴィクトリアマイル 阪神牝馬S(G2)
2008 該当馬なし 2 0.7%      
2010 キンシャサノキセキ 257 90.2% 6戦3勝 高松宮記念 阪神C(G2)、オーシャンS(G3)
2010 エーシンフォワード 14 4.9% 9戦2勝 マイルCS 阪急杯(G3)
2010 ダノンシャンティ 4 1.4% 1戦1勝 NHKマイルC  
2010 エスポワールシチー 1 0.4% 3戦2勝 フェブラリーSかしわ記念  
2010 ショウワモダン 1 0.4% 7戦2勝 安田記念 ダービー卿CT(G3)
2010 ブエナビスタ 1 0.4% 1戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2010 該当馬なし 7 2.5%      
2011 カレンチャン 270 94.7% 7戦5勝 スプリンターズS 阪神牝馬S(G2)、函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)
2011 エイシンアポロン 4 1.4% 2戦2勝 マイルCS 富士S(G3)
2011 キンシャサノキセキ 3 1.1% 2戦1勝 高松宮記念  
2011 リアルインパクト 2 0.7% 5戦1勝 安田記念  
2011 トランセンド 2 0.7% 2戦2勝 フェブラリーSマイルCS南部杯  
2011 該当馬なし 4 1.4%      
2014 スノードラゴン 193 67.7% 8戦1勝 スプリンターズS  
2014 コパノリチャード 34 11.9% 6戦2勝 高松宮記念 阪急杯(G3)
2014 ジャスタウェイ 32 11.2% 1戦1勝 安田記念  
2014 ミッキーアイル 12 4.2% 7戦4勝 NHKマイルC スワンS(G2)、シンザン記念(G3)、アーリントンC(G3)
2014 コパノリッキー 2 0.7% 2戦2勝 フェブラリーSかしわ記念  
2014 該当馬なし 12 4.2%      
2016 ミッキーアイル 169 58.1% 5戦2勝 マイルCS 阪急杯(G3)
2016 モーリス 52 17.9% 2戦1勝 チャンピオンズマイル  
2016 ビッグアーサー 29 10.0% 5戦2勝 高松宮記念 セントウルS(G2)
2016 レッドファルクス 23 7.9% 7戦3勝 スプリンターズS CBC賞(G3)
2016 ロゴタイプ 2 0.7% 3戦1勝 安田記念  
2016 ジュエラー 1 0.3% 3戦1勝 桜花賞  
2016 ダノンレジェンド 1 0.3% 6戦4勝 JBCスプリント 黒船賞(Jpn3)、北海道スプリントC(Jpn3)、クラスターC(Jpn3)
2016 メジャーエンブレム 1 0.3% 3戦2勝 桜花賞  
2016 該当馬なし 13 4.5%      
2017 レッドファルクス 264 91.0% 5戦2勝 スプリンターズS 京王杯スプリングC(G2)
2017 ペルシアンナイト 16 5.5% 4戦2勝 マイルCS アーリントンC(G3)
2017 アドマイヤリード 2 0.7% 2戦1勝 ヴィクトリアマイル  
2017 イスラボニータ 1 0.3% 5戦2勝 なし マイラーズC(G2)、阪神C(G2)
2017 セイウンコウセイ 1 0.3% 7戦2勝 高松宮記念  
2017 該当馬なし 6 2.1%      

 

基本的にはスプリンターズSマイルCSを勝った馬に票が入りやすい傾向にあります。2010年は高松宮記念勝ち馬キシャサノキセキが受賞していますが、阪神Cを勝ちスプリンターズS2着(1着は香港のウルトラファンタジー)など年間を通じて活躍し、マイルCSが人気薄のエーシンフォワードが勝ったことも影響しているでしょう。

傾向どおりならば、今年はジャンダルムかセリフォスが優勢だと考えますが人気薄で勝ったジャンダルムよりはセリフォスに票が集まりやすいでしょうか。

 

最優秀ダートホース

ダートのG1/Jpn1勝ち馬は次の11頭です。戦績は2022年のダート戦に限られます。

 

ジャパンCダートがチャンピオンズCへ変わった2014年以降、中央競馬ダートG1勝ち馬が年内G1/Jpn1を2勝以下の年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2015 コパノリッキー 147 50.5% 6戦3勝 フェブラリーSJBCクラシック 東海S(G2)
2015 サンビスタ 73 25.1% 9戦4勝 チャンピオンズC レディスプレリュード(Jpn2)、TCK女王盃(Jpn3)、マリーンC(Jpn3)
2015 ホッコータルマエ 28 9.6% 6戦2勝 川崎記念帝王賞  
2015 ノンコノユメ 14 4.8% 8戦5勝 ジャパンダートダービー 武蔵野S(G3)、ユニコーンS(G3)
2015 サウンドトゥルー 13 4.5% 11戦6勝 東京大賞典 日本テレビ盃(Jpn2)
2015 該当馬なし 16 5.5%      
2016 サウンドトゥルー 156 53.6% 7戦1勝 チャンピオンズC  
2016 アウォーディー 82 28.2% 6戦4勝 JBCクラシック 日本テレビ盃(Jpn2)、アンタレスS(G3)、名古屋大賞典(Jpn3)
2016 コパノリッキー 28 9.6% 7戦3勝 かしわ記念帝王賞マイルCS南部杯  
2016 モーニン 6 2.1% 6戦2勝 フェブラリーS 根岸S(G3)
2016 アポロケンタッキー 4 1.4% 8戦5勝 東京大賞典 みやこS(G3)
2016 該当馬なし 15 5.2%      
2019 クリソベリル 270 98.5% 5戦5勝 チャンピオンズC、ジャパンダートダービー 日本テレビ盃(Jpn2)
2019 オメガパフューム 4 1.5% 6戦2勝 帝王賞東京大賞典  
2020 チュウワウィザード 186 65.7% 4戦2勝 チャンピオンズC、川崎記念  
2020 クリソベリル 85 30.0% 4戦2勝 帝王賞JBCクラシック  
2020 モズアスコット 4 1.4% 6戦2勝 フェブラリーS 根岸S(G3)
2020 オメガパフューム 4 1.4% 4戦2勝 東京大賞典 平安S(G3)
2020 アルクトス 2 0.7% 5戦1勝 マイルCS南部杯  
2020 ダノンファラオ 1 0.4% 9戦3勝 ジャパンダートダービー 浦和記念(Jpn2)
2020 該当馬なし 1 0.4%      
2021 テーオーケインズ 240 81.1% 5戦3勝 チャンピオンズC、帝王賞 アンタレスS(G3)
2021 マルシュロレーヌ 47 15.9% 6戦4勝 BCディスタフ エンプレス杯(Jpn2)、TCK女王盃(Jpn3)、ブリーダーズGC(Jpn3)
2021 カフェファラオ 8 2.7% 3戦1勝 フェブラリーS  
2021 オメガパフューム 1 0.3% 4戦1勝 東京大賞典  

 

ほぼチャンピオンズCの勝ち馬が選ばれます。2015年のみサンビスタを押さえてフェブラリーS勝ちのコパノリッキーが受賞しています。例年の傾向からすると、今年はジュンライトボルトが優勢ですが、2015年のようにカフェファラオがG1/Jpn1勝ち数で上回っているため確実とまでは言えません。

 

最優秀障害馬

J・G1勝ち馬は次の2頭です。

 

2008年以降、J・G1勝ち馬が他に重賞勝ちが無かった年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 J・G1勝利 その他の主な勝ち鞍
2009 キングジョイ 273 95.1% 4戦1勝 中山大障害  
2009 スプリングゲント 4 1.4% 2戦1勝 中山グランドJ  
2009 該当馬なし 10 3.5%      
2010 バシケーン 157 55.1% 10戦2勝 中山大障害  
2010 コウエイトライ 21 7.4% 9戦2勝 なし 新潟JS(J・G3)、阪神JS(J・G3)
2010 メルシーモンサン 13 4.6% 2戦1勝 中山グランドJ  
2010 ランヘランバ 9 3.2% 8戦4勝 なし 小倉サマーJ(J・G3)、京都JS(J・G3)
2010 タマモグレアー 1 0.4% 5戦3勝 なし 障害オープン2勝
2010 該当馬なし 84 29.5%      
2012 マジェスティバイオ 156 54.0% 5戦3勝 中山グランドJ  
2012 マーベラスカイザー 121 41.9% 5戦2勝 中山大障害  
2012 エムエスワールド 1 0.3% 4戦2勝 なし 京都ハイJ(J・G2)、小倉サマーJ(J・G3)
2012 該当馬なし 11 3.8%      
2014 アポロマーベリック 179 62.8% 4戦2勝 中山グランドJ  
2014 レッドキングダム 103 36.1% 8戦4勝 中山大障害  
2014 該当馬なし 3 1.1%      
2018 オジュウチョウサン 228 82.6% 1戦1勝 中山グランドJ  
2018 ニホンピロバロン 42 15.2% 3戦1勝 中山大障害  
2018 アップトゥデイト 1 0.4% 5戦2勝 なし 阪神スプリングJ(J・G2)、阪神JS(J・G3)
2018 該当馬なし 5 1.8%      

 

暮れの中山大障害の馬ばかりが選ばれていると思いきや、中山グランドジャンプ勝ち馬が受賞するケースもあります。直接対決で勝っているニシノデイジーが優勢と思いますが、オジュウチョウサンの功労的な意味も込めて投票する記者もいると考えられますのでどちらの馬が受賞するのかは難しいでしょう。

また、J・G1馬以外に投票される年も見られるため、重賞3勝のホッコーメヴィウスにも票がどの程度入るのか注目です。

 

年度代表馬

G1/Jpn1を2勝以上した馬は次の4頭です。

 

2008年以降、G1/Jpn1を3勝以上した馬へ投票が無かった年の投票結果は下記のとおりです。

馬名 票数 比率 当年成績 G1/Jpn1勝利 その他の主な勝ち鞍
2008 ウオッカ 180 60.0% 7戦2勝 安田記念天皇賞(秋)  
2008 ダイワスカーレット 79 26.3% 3戦2勝 有馬記念 産経大阪杯(G2)
2008 ディープスカイ 37 12.3% 10戦5勝 日本ダービーNHKマイルC 毎日杯(Jpn3)、神戸新聞杯(Jpn2)
2008 カネヒキリ 1 0.3% 3戦2勝 ジャパンCダート東京大賞典  
2008 スリープレスナイト 1 0.3% 6戦5勝 スプリンターズS CBC賞(G3)、北九州記念(Jpn3)
2008 該当馬なし 2 0.7%      
2014 ジェンティルドンナ 231 81.1% 6戦2勝 ドバイシーマクラシック有馬記念  
2014 ジャスタウェイ 51 17.9% 6戦3勝 ドバイデューティフリー安田記念 中山記念(G2)
2014 エピファネイア 1 0.4% 5戦1勝 ジャパンC  
2014 該当馬なし 2 0.7%      

 

いずれも秋に活躍した馬が受賞されています。そのため今回はイクイノックスが優勢だと思われます。

 

特別賞

JRA賞競走馬部門の特別賞は他のどの部門でも受賞されなかった馬に対して行われるものです。そのため、例えば最優秀4歳以上牝馬と特別賞のダブル受賞はありません。

2022年度の場合で考えると、オジュウチョウサンJRA所属馬による最高齢11歳でJ・G1を制したため少し考えられます。ただし、先ほどの説明でも書いたとおり最優秀障害馬を受賞した場合はもちろん特別賞はありません。

特別賞は競馬記者クラブや競馬新聞協会で構成される代表者8名による受賞馬選考委員会で決められます。委員会が1月10日(火曜日)にどのような判断をするのか注目ですね。

 

もし票が割れた場合の決まり方

日本中央競馬会JRA賞表彰規則には受賞馬の決定方法が記載されています。

第3条
4 記者投票において、JRA賞年度代表馬賞について投票者数の3分の1以上の票を得た記者投票順位の第1位で、かつ、別表第1の左欄に掲げる各部門に係る賞のいずれかについて受賞馬として決定された馬は、JRA賞年度代表馬の受賞馬に決定する。

5 記者投票において、JRA賞年度代表馬賞について「該当馬なし」の投票が記者投票順位の第1位で、かつ、投票者数の3分の1以上の票を占めたときは、受賞馬はないものとする。

6 別表第1の左欄に掲げる各部門に係る賞について投票者数の3分の1以上の票を得た記者投票順位の第1位の馬は、当該部門の受賞馬に決定する。

7 別表第1の左欄に掲げる各部門に係る賞のうち、記者投票において「該当馬なし」の投票が記者投票順位の第1位で、かつ、投票者数の3分の1以上の票を占めたときは、受賞馬はないものとする。

8 第4項から前項までの規定により受賞馬又は受賞馬がないことが決定しない場合は、次条に定める受賞馬選考委員会が受賞馬を決定する。この場合において、JRA賞年度代表馬賞及び別表第1の左欄に掲げる各部門に係る賞ともに、その賞ごとの記者投票順位の第1位の馬(記者投票順位の第1位が「該当馬なし」の場合は第2位の馬)について受賞馬とするか否かを決定する。

日本中央競馬会JRA賞表彰規則より

 

要約すると各部門と年度代表馬は下記の順に決まります。

  1. 票の1/3以上を占めた最多投票馬(該当馬なしを含む)がいる場合は自動受賞
    年度代表馬部門の場合は各部門の1つ以上で選出されていることも条件に含む
  2. 該当馬なしを含む全馬とも票が1/3未満の場合、該当馬なしを除いた最多投票馬を受賞するかどうか受賞馬選考委員会が決める

今回の場合、各馬とも1/3を割る可能性がある部門は最優秀4歳以上牝馬と最優秀短距離馬の2部門でしょうか。今の基準となってから特別賞を除く各賞で受賞馬選考委員会が決定したケースは無いため、もし委員会が判断するケースとなった場合はどうなるか注目です。

 

JRA賞競走馬部門予想

以上の展望よりJRA賞競走馬部門の予想は下記のとおりです。

  • 年度代表馬:イクイノックス
  • 最優秀2歳牡馬:ドルチェモア
  • 最優秀2歳牝馬:リバティアイランド
  • 最優秀3歳牡馬:イクイノックス
  • 最優秀3歳牝馬:スターズオンアース
  • 最優秀4歳以上牡馬:タイトルホルダー
  • 最優秀4歳以上牝馬:ソングライン
  • 最優秀短距離馬:セリフォス
  • 最優秀ダートホース:ジュンライトボルト
  • 最優秀障害馬:ニシノデイジー
  • 特別賞:オジュウチョウサン

個人的に難解なのは最優秀4歳以上牝馬と最優秀短距離馬の2部門で票が割れる可能性があります。また、最優秀障害馬と特別賞もどうなるか気になるところです。

 

参考文献