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2022年度JPNサラブレッドランキング・レース別レーティング修正一覧

先月に2022年度ロンジンワールドベストレースホースランキングJPNサラブレッドランキングが発表されました。トップはフライトラインのレーティング140、続いてバーイードが135と歴史に残る評価を受けた馬が2頭も誕生しました。そして3位タイにオーストラリアのネイチャーストリップ、日本のイクイノックスが126続いています。

イクイノックスは1998年エルコンドルパサーと並び日本調教馬の3歳馬としては過去最高タイのレーティングを記録しました。*1

ランキングの詳細は下記をご覧ください。

www.jra.go.jp

www.jra.go.jp

 

ところでランキング発表時にこのような一文が追加されております。

なお、2022年度のすべてのレーティング対象競走の数値(見直したものは見直し後の数値)については2022年度 重賞・オープン特別競走レーティングをご覧ください。

2022年度ロンジンワールドベストレースホースランキングおよびJPNサラブレッドランキング より

これは主に毎週木曜日公開されている重賞・オープン特別競走レーティングに対してレーティング修正が行われたということです。

今回は予め控えておいたレーティング修正前の数値と比較して、どのような修正が行われたのか確認してみましょう。

確認前に

ここ数年の重賞・オープン特別競走レーティングのページは年始にJPNサラブレッドランキングが公開されるタイミングでレーティングが修正された数値に置き換わります。GⅠ競走レーティング(上位4頭)では当初の発表から修正されたレーティングに対し下線部で判別できるようになっています。

レーティング修正例 2022年阪神ジュベナイルフィリーズ

2022年阪神ジュベナイルフィリーズの場合、1着から4着全ての馬に対し当初発表値から修正されていることが分かります。

重賞・オープン特別競走レーティングに修正が入り始めた具体的な西暦年は分かりませんが、GⅠ競走レーティングの修正後の数値と付け合わせをすると2015年以降の重賞・オープン特別競走レーティング修正後の数値に置き換えられていると推測します。

 

レース別レーティング修正一覧

それでは予め控えておいたレーティング修正前の数値からどれだけ増減したのかレース単位で見ていきましょう。

修正対象馬が空欄のレースは全馬が対象、記載されている場合は該当馬のみが修正対象となります。また、修正対象馬以外は特に記載が無い限り、修正量は±0で当初発表時から修正はありません。

上方修正が行われたレース

No 開催日 競馬場 レース名 馬場 距離 修正量 修正対象馬/備考
(空欄は全馬)
1 10/01 中京 シリウスS GⅢ ダート I +4  
2 10/10 東京 グリーンチャンネルC L ダート M +3  
3 10/10 阪神 京都大賞典 GⅡ L +3  
4 10/22 東京 富士S GⅡ M +3 3着(ダノンスコーピオン)以外 ※3着馬のみ+2
5 11/27 阪神 京阪杯 GⅢ S +3  
6 02/13 東京 共同通信杯 GⅢ M +2  
7 03/27 阪神 六甲S L M +2  
8 04/13 船橋 マリーンC JpnⅢ ダート M +2  
9 04/16 阪神 アーリントンC GⅢ M +2  
10 05/03 名古屋 かきつばた記念 JpnⅢ ダート M +2  
11 05/29 中京 白百合S L I +2  
12 06/18 東京 スレイプニルS OP ダート I +2  
13 08/13 札幌 コスモス賞 OP M +2  
14 08/14 小倉 小倉記念 GⅢ I +2  
15 08/28 新潟 朱鷺S L M +2  
16 09/25 中京 神戸新聞杯 GⅡ L +2  
17 11/13 東京 オーロC L M +2  
18 12/03 阪神 チャレンジC GⅢ I +2  
19 12/11 中山 カペラS GⅢ ダート S +2  
20 01/16 中山 京成杯 GⅢ I +1 1着馬(オニャンコポン)のみ
21 02/27 中山 中山記念 GⅡ M +1  
22 02/27 阪神 阪急杯 GⅢ M +1  
23 03/02 川崎 エンプレス杯 JpnⅡ ダート I +1 1~2着馬のみ
24 03/13 中京 金鯱賞 GⅡ I +1  
25 03/26 中山 伏竜S OP ダート M +1  
26 05/01 阪神 天皇賞(春) GⅠ E +1 1着馬(タイトルホルダー)のみ
27 05/08 東京 NHKマイルC GⅠ M +1  
28 05/21 中京 平安S GⅢ ダート I +1  
29 05/28 中京 葵S GⅢ S +1  
30 05/29 中京 安土城S L M +1  
31 06/04 中京 鳴尾記念 GⅢ I +1  
32 06/05 中京 松風月S OP ダート S +1  
33 08/06 新潟 ダリア賞 OP M +1  
34 08/21 新潟 NST OP ダート S +1  
35 08/21 札幌 札幌記念 GⅡ I +1  
36 09/03 札幌 札幌2歳S GⅢ M +1  
37 09/21 浦和 オーバルスプリント JpnⅢ ダート M +1  
38 09/24 中京 野路菊S OP I +1  
39 10/04 金沢 白山大賞典 JpnⅢ ダート I +1  
40 10/06 大井 レディスプレリュード JpnⅡ ダート M +1  
41 10/08 東京 サウジアラビアロイヤルC GⅢ M +1  
42 10/23 阪神 菊花賞 GⅠ E +1  
43 10/29 阪神 萩S L M +1  
44 10/29 阪神 スワンS GⅡ M +1  
45 11/03 盛岡 JBCレディスクラシック JpnⅠ ダート M +1 3着馬以下
46 11/03 盛岡 JBCクラシック JpnⅠ ダート I +1  
47 11/13 福島 福島2歳S OP S +1  
48 11/13 福島 福島記念 GⅢ I +1  
49 11/20 阪神 マイルCS GⅠ M +1 1~4着馬のみ
50 12/10 中山 師走S L ダート M +1  
51 12/10 中京 中日新聞杯 GⅢ I +1  
52 12/11 阪神 阪神ジュベナイルフィリーズ GⅠ M +1  
53 12/17 中京 中京2歳S OP S +1  

多くのレースで当初発表時から上方修正が実施されていることが分かります。特に修正量が大きいシリウスS富士Sは上位馬の多くがその後G1/Jpn1競走で好走したことから、整合性を取るためにレーティングを修正したと思われます。

 

下方修正が行われたレース

No 開催日 競馬場 レース名 馬場 距離 修正量 修正対象馬/備考
(空欄は全馬)
1 04/03 阪神 大阪杯 GⅠ I -1  
2 04/09 阪神 阪神牝馬S GⅡ M -1  
3 10/30 東京 天皇賞(秋) GⅠ I -1  
4 12/04 中京 チャンピオンズC GⅠ ダート M -1 2着馬以下
5 01/09 中山 ポルックスS OP ダート M -2  
6 03/09 大井 フジノウェーブ記念 地方重賞 ダート M -2 ※1着ルーチェドーロ以外は非公開のため不明

下方修正はレース数こそ少ないものの実施はされています。ケースとしては、シーズン前半のレースで上位馬がその後不振だったり、国際ハンデキャッパー会議で決まるレーティング115以上のレース・馬が多いように見えます。

 

おわりに

レーティング修正はレースはその後の活躍等による整合性を取るために行われていることが多く、特にG2以下の格付けで修正量が大きくなる傾向にあります。

また、修正前のレーティングはWaybackMachine等のアーカイブサイト等に一部ですが保存されている場合もあるため、興味がある方は過去の内容を見るのもいいかもしれません。

 

参考資料

*1:牝馬アローワンスを考慮した場合、2018年アーモンドアイが124+4を記録しています