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2022BCクラシックとフライトラインのレーティングの仕組み

先日ロンジンワールドベストレースホースランキング(LWBRR)が発表され、フライトラインがレーティング139をキープしています。
ランキングの詳細はJRA公式サイトなどをご覧ください。

www.jra.go.jp

 

BCクラシックも2着オリンピアードに8.1/4馬身差と圧勝でフランケルのレーティング140に並ぶか期待されましたが惜しくも届きませんでした。しかし、140に届かないことを疑問視する声ももちろんあります。

そこでBCクラシックのレーティングがつけられる計算はどのような仕組みで行われるか解説してみましょう。

プレレーティング

レース前のプレレーティングは以下のとおりです。

着順 馬名 プレレーティング
1 フライトライン 139
2 オリンピアード 120
3 テイバ 122
4 リッチストライク 119
5 ライフイズグッド 125
6 ホットロッドチャーリー 121
7 ハッピーセーバー 不明

レース結果のレーティングを付ける際の参考に使われる場合があります。

数値はいずれも今年のロンジンワールドベストレースホースランキングのレース前レーティングになります。最新のランキングでは121以上が掲載のため、オリンピアードとリッチストライクは掲載時のレーティングを記述しました。

 

着差とレーティングの差

レース結果より着差とレーティングの差は以下のとおりです。

着順 馬名 着差 レーティング差
1 フライトライン - -
2 オリンピアード 8 1/4 12~13
3 テイバ 1/2 0~1
4 リッチストライク 2 1/2 3~4
5 ライフイズグッド 1 1/4 1~2
6 ホットロッドチャーリー 2 1/2 3~4
7 ハッピーセーバー 3 1/2 5~6

着差とレーティングの差の関係は1600mの場合だと1馬身=2ポンドとなります。
これより距離が短くなれば1馬身辺りのポンド数は大きくなり、距離が長くなれば1馬身辺りのポンド数は小さくなります。
他に馬場によっても異なり、芝2000mでは4馬身=7ポンド(1馬身辺り1.75ポンド)ですが、ダート2000mでは4馬身=6ポンド(1馬身辺り1.5ポンド)となることには注意が必要です。

8 1/4馬身をポンドに換算する場合、8.25馬身×1.5=12.375ポンドとなるため12~13ポンドのいずれかを使用することになります。

 

推定レーティング

上記よりレース後に反映された結果と比較して機械的に計算した結果は以下のとおりです。

着順 馬名 レーティング差 レーティング
1 フライトライン - 136~137
2 オリンピアード 12~13 124
3 テイバ 0~1 123
4 リッチストライク 3~4 119~120
5 ライフイズグッド 1~2 117~119
6 ホットロッドチャーリー 3~4 113~116
7 ハッピーセーバー 5~6 107~111

テーブル内の太字の数字(オリンピアードとテイバ)は最新のロンジン・ワールドベストレースホースランキングで掲載されたレーティングになります。以上より着差から機械的にレーティングを計算した場合、BCクラシックにおけるフライトラインのレーティングは136~137になるでしょう。

 

勝ち馬ボーナス

1着馬の場合、機械的に計算した結果に加えて、余力を残して勝ったり展開の不利を跳ね返して勝つなど実際の着差より強い勝ち方をするとレーティングが上乗せされるケースがあります。

仮にBCクラシックでのフライトラインのレーティングを139とした場合、オリンピアードのレーティングは124のため、差は15ポンドになります。

ダート2000mの場合、10馬身=15ポンドのため、フライトラインは余力を含めて10馬身相当の差で勝ったと言ってもいいでしょう。もちろん139よりも小さいかもしれないため、年始のワールドベストレースホースランキングが発表されるまではわかりません。

 

まとめ

いままでの内容をまとめた表は以下のとおりです。

着順 馬名 プレ値 着差 レート差 レーティング ボーナス ボーナス加算後
レーティング
1 フライトライン 139 - - 136~137 0~2 136~139
2 オリンピアード 120 8 1/4 12~13 124 - 124
3 テイバ 122 1/2 0~1 123 - 123
4 リッチストライク 119 2 1/2 3~4 119~120 - 119~120
5 ライフイズグッド 125 1 1/4 1~2 117~119 - 117~119
6 ホットロッドチャーリー 121 2 1/2 3~4 113~116 - 113~116
7 ハッピーセーバー 不明 3 1/2 5~6 107~111 - 107~111

今後の流れとしては例年12月に香港で行われる国際会議等を経て来年1月にワールドベストレースホースランキングの正式値が発表されます。会議では各国のハンデキャッパーが議論を行いレーティングに修正が行われる可能性もあります。来年1月にどのような結果になるか注目です。

 

おまけ BCクラシック過去の勝ち馬ボーナス推定値

BCクラシック過去の勝ち馬ボーナス推定値は以下のとおりです。

勝馬 1着
レート
2着
レート
1~2着
レート差
着差 着差から
算出した
機械的
レート差
推定勝ち馬
ボーナス
2004 ゴーストザッパー 130 123 7 3 4~5 2~3
2005 セイントリアム 125 122 3 1 1~2 1~2
2007 カーリン 129 122 7 4 1/2 6~7 0~1
2008 レイヴンズパス 129 125 4 1 3/4 2~3 1~2
2009 ゼニヤッタ 128* 125 6 1 1~2 4~5
2010 ブレイム 129 125* 1 アタマ 0 1
2011 ドロッセルマイヤー 124 122 2 1 1/2 2~3 0
2012 フォートラーンド 125 124 1 1/2 0~1 0~1
2013 ムーチョマッチョマン 125 124 1 ハナ 0 1
2014 バイエルン 125 124 1 ハナ 0 1
2015 アメリカンファラオ 134 120 14 6 1/2 9~10 4~5
2016 アロゲート 134 133 1 1/2 0~1 0~1
2017 ガンランナー 130 124 6 2 1/4 3~4 2~3
2021 ニックスゴー 129 124 5 2 3/4 4~5 0~1

ワールドベストレースホースランキングより該当年のBCクラシックで取得したレーティングが1~2着とも判明した年に限り記載してあります。また、2009年1着・2010年2着ゼニヤッタ牝馬のため、1着・2着レーティングに牝馬アローワンス+3して計算しました。

推定勝ち馬ボーナスが0の場合は着差=ポンドを機械的に与えた結果となり、反対に大きい場合は着差以上のポンド数を加算した結果となります。過去の勝ち馬ではゼニヤッタアメリカンファラオは勝ち馬ボーナス推定で4~5ポンド与えられていたと考えられます。

 

参考資料